安易に考えてはいけない
成長期の腰痛
私も中学高校と学生時代は腰痛がありました。
私の腰痛はシンプルに筋肉疲労由来のものでしたので、
痛みはある一定の動作時にのみに出現し、
痛みの期間も長くても一月ほどでした。
この筋肉疲労も部活動で身体を酷使していたからで、
安静にしていたら出ていなかったでしょう。
私は、成長期の身体は「寝れば治る」と感じるほど回復力があり、
身体のケアについては全く考えたことがありませんでした。
この様に私と同じ様な考えを持っている・持っていた人は
少なくないのではないでしょうか。
しかしそんな中、
長引く腰痛や、時折出る激しい痛みのある腰痛を訴える学生がいます。
たいていその様な場合は疾病が疑われます。
ヘルニアなどの疾病もありますが、
ここではこの成長期によく発見される「分離症」についてお話ししていきます。
腰椎分離症は、
骨が未発達である成長期の子どもが、
スポーツの練習などで繰り返し腰に負担をかけることで
発症する例が多く報告されています。
また、スポーツ選手の約30%が腰椎分離症であるともいわれています。
腰椎に圧力がかかり骨折することにより生じます。
脊椎(背骨)の一部である腰椎は、
第1腰椎から第5腰椎までの5つの椎骨によって構成されています。
この椎骨の前方部分を椎体、後方の部分を椎弓といいます。
椎弓の一部は衝撃に弱く、
ジャンプや腰をねじるなどの激しい運動の繰り返しでひびが入り、
さらに圧力が加わることで疲労骨折を起こすことがあります。
これが腰椎分離症です。
好発部位(発症しやすい部位)は、
傾斜がきつく圧力のかかりやすい第5腰椎です。
症状は、腰、尻、太ももの痛みやシビレで、
腰を反らせたときに痛みが増すこともその特徴の一つです。
必ずしも痛みが発生する病気ではありませんが、
年をとってから、
腰痛の原因が腰椎分離症だったということが判明する場合があります。
成長期に腰椎分離症を治療せずに放置しておくと、
腰椎分離すべり症に進行していくことがあります。
分離すべり症とは、骨の分離が引き金となって、
腰椎が前方や後方にずれる病気です。
これにより脊柱管狭窄症になり易くなります。
治療としては特にやれることはなく
スポーツの中止、絶対安静が必要です。
椎体と椎弓との分離から時間が経っていなければ
骨の癒合を最優先にしないと
その後一生骨がくっつくことはありません。
なので、
このゴールデンタイムを逃してはいけないのです。
以上の様に
成長期の腰痛はあまり安易に考えてしまうと
その後の人生を大きく左右することになりかねないので
注意が必要です。
分離症はレントゲンで簡単に発見できるので
腰が痛くなったらひとまず整形外科を受診しましょう。
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腰痛
千葉県木更津市
はるえな整体院